平成30年度環境探究プログラム コース内容

平成30年度 環境探究プログラム

環境探究プログラムは,1~2年間の計画で実施します。
平成30年度の環境探究プログラムでは,3つのコースを設定しております。
(環境探究プログラムを受講できるのは,昨年度の環境基礎プログラムを受講した方のみです)

1:きのこコース(2年間)
テーマ:菌類の分解者としての役割を理解し, 培養菌体から, 木材腐朽菌の能力(菌体外に分泌する分解
     酵素の産生能)を実験する.
1年目:野外で菌類(きのこ類)の生息場所を観察し, 自然界での役割を学ぶ
 農学部附属菌類きのこ遺伝資源研究センター主催のきのこ観察会に参加し,きのこの発生場所が種によって違いがあることを学ぶ。採集したきのこ類をセンターに持ち帰り, のちの実験に利用するための菌株を確立するための分離作業を実施する。別の日に, センターで分離したきのこが培養できたかどうか,どんなものが分離できたのかを確認し, 分離に成功したものは新たなスラントに移植し, 純培養する。
 2日間(1日目は終日, もう一日は半日*)で実験を行います。センター主催の観察会(出会いの森)に参加することが必須です。*場合によっては, 学生メンターだけが実施し, 結果(写真)をメール等で送る

2年目:確立した菌株を利用し, 木材腐朽菌が生産する酵素を推定し, 他のきのこ種(リター分解菌や菌根菌)     との違いを検証する。
 1年目に得た培養菌株で, スポットテストや培地の変色(褐変)を指標に、木材分解に関わる酵素類の生産が判別できるプレート試験を実施する。得られた結果から, 分解者としての役割によって, 持っている能力がきのこ(菌株)によって異なることを理解する。実験としては, 培地作り及び菌株の接種(1日)、スポットテストと結果の確認(1日)で合計2日を考えている(学生メンターの時間数によっては1日のみで行う)。

②テーマ:きのこのふだんのすがた
 私たちがいつも食べているシイタケやエノキタケは,きのこが胞子を飛ばすために作っている「子実体」と呼ばれるものであり,きのこはふだんからその姿で暮らしているわけではない.自然環境の中で,きのこは「菌糸」の姿で,木や落ち葉を腐らせたり,虫に寄生したり,生きた樹木と共生したりしながら暮らしている.本講座では,きのこのふだんの姿である「菌糸」を観察し,自然環境中でのきのこの暮らしについて理解を深めることを目的とする.1年目は野外観察を通じて環境中できのこが菌糸の状態でどのように暮らしているかについて学ぶ.2年目は実際にきのこの菌糸を「飼う」ことで,胞子から発芽して生じた菌糸が環境中でどのように生長しているのかについて学ぶ.

 

2:GSCコース(1年間)
テーマ:紙(セルロース)を溶かすイオン液体を合成し,イオン液体に溶かした紙について,酸も塩基も
     使用しない環境に優しいエステル化をおこない,世界で初めての新しい紙をつくる.
1年目1回目:紙を溶かすイオン液体を合成し,高級脂肪酸エステルと反応させて水をはじく紙(セルロース)を      つくる
 鳥取大学工学部化学バイオ系学科伊藤研究室において合成したセルロースを溶かすイオン液体で,実際にセルロースをとかす実験を体験する。つぎにイオン液体に溶けたセルロースを再度析出させる実験を体験する。このあと,イオン液体に溶かしたセルロースにパルミチン酸ビニルを加えてセルロース分子を加工し,合成できたセルロースを取り出す実験を行う。実験は2日間(1日目は終日, もう一日は半日*)で行います。

1年目2回目:新しいセルロースの性質を調べる。
 合成できた紙(セルロース)の性質を調べる。次に,セルロースに結合させる分子のデザインを行い,世界でここにしかない新しいセルロースを合成する。実験は2日間(1日目は半日, もう一日は終日)で行います。

3:高専コース(2年間)
①テーマ:河川や湖沼の水質汚濁を調査し、水が汚れる原因について理解する。また、汚れた水域の浄化実験     を行い、環境修復方法について学習する。
1年目:野外で採水、観察を行い身の回りの水環境について学ぶ
・自然界および社会での水の循環について説明を行い、水資源の重要性について学習する。
・簡易分析キットを用いて環境水を分析し、観察結果とともに水環境の汚濁度を評価する。
・水が汚れた原因について考察する。
・水の汚濁が我々の生活に及ぼす影響について説明する。

2年目:湖沼の水質および底質の改善方法について学ぶ
1年目には水の汚れの原因について学び、2年目は実際に汚れている湖沼の水質、底質改善方法について学習する。2年目は2日間の予定。
・米子市の湊山公園において水質および底質改善方法のひとつである湖底耕うん(底泥のかき混ぜ)を行う( 1日目)。
・耕うん前に採水、採泥を行う(1日目)。採取した試料は実験室に持ち帰り分析を行う(2日目)。
・底生生物を採取し(1日目)、生息している生物から底質汚濁の程度を評価する(2日目)。

②テーマ:身の回りに存在する廃棄物から有用な物質をとりだして役立つ物質をつくる実験を行う.
1年目:卵の殻の内皮をもちいた不思議な発電現象を観察しよう
 米子市にある米子高専において,研究が行われている卵の殻の内膜を用いた研究を体験する。適当な大きさに切った卵殻膜の両面に金属触媒を塗り,片側に燃料を添加して動作する実験を体験する。発電動作は一定時間追跡して観察する。

2年目:リサイクル素材を用いた発電素子を自分で作ってみる。
 一年目に体験した発電素子を自分で最初から作製してみる。燃料電池の電解質膜を様々な膜素材を生活ごみから探してみて,発電をするか試してみる。発電動作の強度などを評価することで,素材の中の科学現象について考えていく。

2018年5月11日