- 日時・場所
- 8月25日(日)/鳥取大学米子キャンパス
- 担当者
- 久郷 裕之(染色体工学研究センター センター長 (大学院医学系研究科機能再生医科学専攻 生体機能医工学講座 教授))
- 構成
- 90分+議論
- 内容
- 私たちの体はおよそ60兆個の細胞から成り立っています。細胞の核と呼ばれている器官には, あらゆる生命現象で重要な働きをしているタンパク質を作るための設計情報である遺伝子が存在し,
細胞分裂の際に染色体という形に折りたたまれ, 遺伝子が均等に2つの細胞へ分配されます。一般に, 細胞は限られた回数しか分裂・増殖しません。その細胞分裂の回数は,
動物の種類や細胞が由来する組織によって異なります。ヒトの場合では, およそ50-60回分裂すると増殖が止まり, やがて細胞は死んでしまいます。この現象は細胞老化と呼ばれています。現在,
細胞老化の原因の1つとして, 染色体の末端に存在するテロメア領域がとても重要な働きをしていることが明らかにされてきました。事実, このテロメアに関する研究が2009年のノーベル生理学・医学賞にも選出されました。
本講義では, テロメアに関する研究を話題に取り上げ, 細胞の老化とがん化についてお話をしたいと思います。
- 到達目標
- 【知識・理解】
種による染色体数および形の違いの観察から生物の多様性を理解することができる。
【科学的探究能力】
染色体標本を染色し,適切な手順・方法を用いて顕微鏡で観察を行うことができる。